あしたできることはあしたやる

Put off till tomorrow what you can do tomorrow

タワーレコードでCDを買った

 この間、久々にタワーレコードに行った。大阪梅田の茶屋町にあるタワレコだ。

 リニューアルして縮小してからは初めてだったので半年ぐらい行ってなかったことになるのだろう。行ってみてエレベーターで登るときにタワレコが2階分ないことに気づき、エレベーターから降りて実際に1フロアしかないことを確認して少し驚いたのだけど、そういえばそんな話を聞いた気もするし、おそらくその時にはそんな話をtwitterでRTしてたにも違いない。そういえばタワレコはドコモに買われたんだったな、落ち目のCD屋なんか買って最近叩かれてばっかのドコモは本当にコンテンツ屋になれると思ってるんだろうかとか考えながらCDを見てた。

 ここのところずっとTLには違法ダウンロード刑事罰化とDVDリッピング違法化のことが流れていた。ネットでもリアルでも怒ってる人や批判する人はいたし、問題があることもわかるが最早止められない流れな気がしてならない。複製作品を買うとは一体どういうことなんだろうとか考えながら僕はCDを選んだ。6000円以上でポイント2倍らしいので6000円以上になるように、でもお金があんまりないのでギリギリを狙ってCDを選んだ。金がないのにわざわざ梅田まで行ってタワレコでポイントを気にしながらCDを買うということにいろんな矛盾が孕まれていることは無視して買い物を済ませた。

 ここ何ヶ月かはクラブ取り締まりと風営法の問題に関する議論も話題になっていた。音楽文化と産業は今までも何度も経験してきたであろう過渡期をまた迎えているんだろうなとか思いながら家のデスクトップのiTunesでCDを取り込んで無線でMacとiPod touchに同期した。

 

 4年前も茶屋町のタワレコでCDを買った。当時、後期試験でたまたま滑り込んだ大学に嫌々ながら入った僕は授業にも出ずにアパートの布団の中で延々タワレコで買ったCDを聴いて、空腹か尿意が我慢出来ないところまで来たら行動を始めるというこれ以上ないぐらいの自堕落で甘美な生活をしていた。親から振り込まれた生活費、詰まるところは奨学金から2万も捻り出して買ったそのCD達は皆繰り返して聴くのに十分な素晴らしさだったしキラキラ輝いていた。

 その中の1枚を出したバンドのCDを今回も買った。

 「魔法のバスに乗っかってどこか遠くまで」なんて歌ってたおっさんが今では満員電車に乗ったサラリーマンの歌を歌ってる。バンドもやっぱり前に進むんだなとか適当なことを思う。部屋で寝続けて週に2回グラウンドでフリスビーを投げるだけの生活を送っていた僕も、その後それなりには学校に行くようなったし今では何となく勉強したいこともできた。少しは前に進んだ気がしなくもない、でも数少ない友人たちであったサークルの同級生たちは卒業して就職するか大学院に進学しているし、そんな同世代と比べたら僕はやはり何周か遅れてしまっている。

 あれから4年、もう少しうまくやって今頃卒業して就職していたらこの曲がもっとバシッとど真ん中ストレートで来ていたに違いないとかまた適当なことを思いながらそれでも僕はおっさんの歌声を聴いている。何年後かに来るであろうそんな日から逃げながら、そしてほんの少しだけ望みながら。魔法のバスにも片足を突っ込んだままで。

 

 

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